風人たちの夏
明け方フレディは迎えに来た風にのって枝をはなれました。
痛くもなく こわくもありませんでした。
フレディは 空中にしばらく舞って
それからそっと地面におりていきました。
そのときはじめてフレディは 木の全体の姿を見ました。
なんてがっしりした たくましい木なのでしょう。
これならいつまでも生きつづけるにちがいありません。
フレディはダニエルから聞いた“いのち”ということばを思い出しました。
“いのち”というのは 永遠に生きているのだ ということでした。
フレディがおりたところは雪の上です。
やわらかくて 意外とあたたかでした。
引っこし先は ふわふわして居心地のよいところだったのです。
フレディは目を閉じ ねむりに入りました。レオ・バスカーリア『葉っぱのフレディ』より
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